愛媛大学 社会共創学部 環境デザイン学科

教員紹介STAFF

徳岡 良則TOKUOKA Yoshinori

徳岡 良則
助教
  • 専門分野植物生態学、植物民俗、植生学
  • 授業担当科目生物多様性保全学、プロジェクト基礎演習

教員メッセージ:
生物多様性には遺伝子、種、生態系の3つのレベルの多様性があり、これらから私たちはたくさんの恵み(生態系サービス)を受けています。しかし過度な資源利用、利用の放棄、意図しない外来種や化学物質による悪影響、そして気候変動など様々な人間の活動を原因として、世界の生物多様性は大きな危機の中にあります。生物多様性保全学では、生物多様性の基本概念、生態系の歴史と現在、生態系の動態、生物多様性の危機の原因・調べ方・守り方について学びます。修得した生物多様性の基礎知識を生かし、プロジェクト演習や卒業研究では、将来世代へ豊かな自然を残していくため、今私たちには何ができるのか?何が必要なのか?を共通のテーマとして、人と自然の関わり合いの歴史を分野横断的視点から分析し、地域の生物多様性に関する課題の解決を目指した研究を進めています。

■研究紹介

生物多様性の保全に貢献するため、主に以下の2つのテーマについて研究しています。

1.複雑な自然の動態を解明する

現在、私たちの身の回りの自然の多くは、長い年月の中で人の手が複雑に加わってきたことで、複雑な変化をします。この変化の複雑さが自然を管理する上で大きな課題となっています。複雑な自然の動態を解明し、環境管理に役立てることを目指しています。

↑↑↑段々畑の耕作放棄地における森林の回復(左:由良半島)と停滞(右:吉田町)

 

↑↑↑耕作放棄地の植生回復を目指した操作実験(茨城県)

 

2.地域の植物利用や風景の謎を解く

日本各地の里地には、地域性に富んだ植物利用や特徴ある植物で形作られた風景がしばしば見られます。そのような植物利用や風景は、地元の皆さんが、主に口伝えで今日まで続けて来た様々な営みに支えられてきました。しかし過疎、高齢化中でそのような自然資源の利用の歴史は発見・記録される前に失われつつあります。このような地域性に富んだ植物利用や風景の謎を解き、地域振興に生かしていくことを目指しています。

↑↑↑地域性に富んだ植物利用の実態把握(左:アオギリの樹皮繊維でできた細引き、中央:段々畑の土壌侵食のため植栽されたベチベルソウ、右:愛南町の在来香米のコヤマジフク)

 

↑↑↑畑地境界に残る境木の多様性、地域性、時代性の評価(左:愛媛県肱川沿い、右:高知県仁淀川沿い)