愛媛大学 社会共創学部 環境デザイン学科

教員紹介STAFF

渡邉 敬逸WATANABE Hiromasa

渡邉 敬逸
准教授
  • 専門分野地理学・農村研究
  • 授業担当科目自然社会環境学、地理情報システム学、環境情報処理演習など

環境デザインという言葉は、なかなか聞きなれない言葉かもしれませんが、大まかに言うと「人と環境との関係をより良いカタチに整える行為およびこれに関連する学問群」のことを指します。ここで言う環境とは、自然環境から都市環境、もっと言えば貴方の部屋のような個人的空間も含むもっと広い概念です。このような広範な現象を対象としますので、人と環境との間に発生する問題は、単一の視点で理解したり、解決したりすることはできません。環境デザイン学科では、環境デザインに関わる学問を横断的に学び、人と環境との調和を探求します。私は農山村をフィールドとして、環境利用、無住化集落、環境市民調査、鳥獣害、環境保全型まちづくり、地域への人的支援などをテーマに、人と環境との関係を考えています。環境デザインに関わる諸分野を学びながら人と環境とのほどよい関係を共に探ってみませんか?

■教育活動

教育活動では、正課教育として、「自然社会環境学」・「地理情報システム学」・「環境情報処理演習」などの学科専門科目のほか、「質的データの収集と分析」などの学部共通科目を担当しています。準正課教育としては、「西条環境セミナー(千町棚田マップ作成)」「モニタリング1000里地調査」「平成30年7月豪雨災害ボランティア活動支援」「のむら復興デザインワークショップ」「西予市におけるツル・コウノトリをシンボルとするまちづくり計画」など、学生教育と社会貢献とを兼ねたプロジェクトの運営に関わっています。

正課教育のうち、プロジェクト演習は1人の教員と学生とがグループを組み、1年半をかけて実施される地域志向のプロジェクト型教育です。これまで本科目では「愛媛県西条市における無住化集落の現状と課題」「モニタリング1000里地調査における植生図の作成支援」「四国4県における無住化集落の分布と資源管理状況」「西予市宇和地区におけるツル類・コウノトリの定着に関する調査」をテーマと実施しており、いずれも教員の研究活動や社会貢献活動と連動して実施しています。


■研究活動

私は資源管理の観点から人と環境との関係を考えています。主なテーマは以下のとおりです。

 

まず1つは新潟県小千谷市東山地区で行われている闘牛「牛の角突き」を事例とする「文化資源の管理」です。牛の角突きの近現代を紐解いてみると、その担い手たちは、様々な局面で地域内外の時勢に右往左往されつつも、現在まで牛の角突きを共同的・自律的に管理してきました。様々な困難の中で牛の角突きを継続していこうとする担い手たちの振る舞いから、我々が考えている以上に「牛の角突き」が東山地区という地域社会において多元的な価値を持つ重要な資源であることが察せられます。こうした牛の角突きの多元的な価値は最初から地域社会に認知されていたわけではなく、様々な時勢と牛の角突きとが結び付けられる中で、地域社会自らが見出してきたものであり、これからも見いだされていくものです。本研究では、東山地区における牛の角突きを事例として、地域社会が共同的・自律的に管理してきた文化資源の多元的な価値を、その資源の管理の仕組みや私自身の地域社会へのアクションリサーチの経験から明らかにすることを目的としています。

 

もう1つは無住化集落における資源管理を事例とする「集落資源の管理」です。無住化集落とは、いわゆる廃村を指す言葉ですが、日本の人口が自然減に入った現在にあって、条件不利地域における集落の無住化や廃村化はなんら特異な現象ではないと考えられます。しかしながら、どこにどのような無住化集落があるのか、についてはまだ分かっていないことが多いのが現状です。本研究の目的は地理空間情報の分析や現地調査から、どこにどのような無住化集落があるのか、を明らかにすることが目的の一つです。一方、無住化集落や廃村と聞くと、資源管理が放棄され、荒れるに任された状況を想起する人が多いかと思いますが、意外に様々な形で人々の手による管理が現在まで続けられている集落は少なくありません。すなわち、無住化集落に対する人々の関わり方は、我々が思っているよりも多様なようです。こうした多様な無住化集落と人との関係から、今後激増すると考えられる無住化集落における資源管理のあり方を構想することが本研究のもう一つの目的です。

 

研究活動に関する詳細は学部ホームページを御覧ください